勅宣日宮駒形根神社

宮城県栗原市栗駒にある駒形根神社は、「日宮(ひるみや)」と称される延喜式内社です。

日本武尊の東征に際し、大日孁尊をはじめ六柱を駒形嶽(栗駒山の古名)山頂に祀ったのが始まりと伝わります。また、「日宮」の「日」は「火」、すなわち「火山」を意味すると言われています(宮城県神社庁ホームページより)。

栗駒山遠景(「栗原市観光ポータルサイトぎゅぎゅっとくりはら」より)

延暦年間の坂上田村麻呂による蝦夷征伐の際には、田村麻呂が奥州鎮護を祈願し、四大門(東は一関三島・西は花山・南は尾松大鳥・北は秋田仙北)を建て、剣と駒形根大明神の大額を奉献したと伝わります。

その後、嘉祥3(850)年には駒形山大昼寺が建立されたと伝わり、翌年には正五位下の神階叙位がなされ、以後、幾度か神階を叙位されています。

奥州藤原氏など、時の権力者からの庇護を受け、一時は四大宮司三十禰宜六十社家を擁し、奥羽総鎮守として信仰を集め、駒形信仰の源流となったそうです。

参道入口

いつの頃かはわかりませんが、里人の登拝が困難なことが度々あり、栗駒山の東麓に社殿を造営し、里宮としたそうです。それがこの神社です。現在、栗駒山山頂にあるお宮が奥宮になっています。

寛保3(1743)年には、天文博士安倍泰邦の上奏により、桜町天皇から「勅宣」の二字を記した御辰筆が下賜されました。歴代の仙台藩主からの崇敬も篤かったようです。

参道入口に参拝者用駐車場があります。鳥居をくぐると社務所があり、ワンちゃんに吠えられながら(優秀な番犬です)、先へ進んでいくと、ステキな雰囲気の参道が見えてきます。

写真は撮っていませんが、上の写真の右手ほどに、池がありました。かつてはこの池で身を清めていたのかな~なんて妄想をしながら先へ進みます。

先ほどの石段を上り、随神門をくぐります。相撲を奉納するのでしょうか、土俵がありました。狛犬もステキです。

阿形
吽形

こちら拝殿です。拝殿奥には流造の本殿があります。静寂に包まれ、とても清々しい境内でした。

拝殿

境内には他に2つの社が鎮座しています。秋葉神社と護国神社のようですが、額が掲げられておらず、どれがどれに該当するのかはわかりませんでした。

拝殿向かって左手の社
拝殿向かって右手の社

他にも、境内には石仏(山の神さま?)と多数の石祠がありました。

ちなみに、駒形根神社には、明和5(1768)年ころから、およそ3年ないし5年ごとに行われる大祭があります。この大祭は「ご巡幸」と呼ばれ、宮城県指定無形民俗文化財になっています。

ご巡幸(宮城県文化財課ホームページより)

御朱印もあるようですが、早朝に参拝したため、御朱印はいただきませんでした。

里宮に参拝したので、ゆくゆくは奥宮にも登拝したいと思います。

【主祭神】大日孁尊、天常立尊、吾勝尊、國常立尊、天津彦番邇々藝尊、神日本磐余彦火々出見尊

【所在地】宮城県栗原市栗駒沼倉一ノ宮11

【駐車場】あり

【御朱印】あり

神社

Posted by きだ