榴岡天満宮~杜の都の天神さま~

今回は、宮城県仙台市宮城野区にある榴岡天満宮です。

祭神は学問の神様として名高い菅原道真です。

付近には桜の名所で有名な榴ヶ岡公園があります。神社には駐車場がありますが、このときはJR仙石線の榴ヶ岡駅から歩いて参拝しました。

具体的な創建年は不明ですが、平将春(平将門の孫)が陸奥国宇多郡(現在の福島県)に天満宮を勧請し、その後宮城県柴田郡川内村に遷座したことに始まると伝わります。

天文20(1551)年、小俵玉手崎(仙台市青葉区の仙台東照宮の地)に遷座しますが、慶安3(1650)年に江戸幕府の命により仙台東照宮の建立にあたり、その境内地東側に遷座します。

寛文7(1667)年に伊達綱宗(仙台藩三代藩主)により、丹塗りの社殿・唐門が造営、菅原道真の真筆(直筆の書)も奉納され、現在の鎮座地である榴ヶ岡に遷座したそうです。

なお、この神社は、芭蕉が訪れた当時の趣を残していることから「つゝじが岡及び天神の御社」として、平成27年に国の名勝「おくのほそ道の風景地」に指定され、翌平成28年には「政宗が育んだ伊達な文化」のひとつとして、文化庁が認定する「日本遺産」に登録されています。

こちらが参道です。

参道

鳥居をくぐってすぐのところに境内社があります。なかにはお社(八幡神社)と石仏(庚申塔)が祀られていました。

庚申社・八幡神社

庚申塔には三猿(見ざる・聞かざる・言わざる)が彫られていることが多いのですが、こちらの庚申塔は聞かざると言わざるの二猿しか彫られていませんでした。初めて見るタイプの庚申塔でテンションがあがります。

神社の境内はコンパクトですが、境内には歌碑や庚申塔、筆塚などたくさんの石碑があります。

歌碑

拝殿の手前には撫で牛が祀られています。牛は祭神である菅原道真と深い関わりがあり、様々な逸話が残されています。そのため、全国の天満宮・天神社では撫で牛を祀っていることが多いそうです。

手指消毒をして参拝します。

朱色の門が鮮やかです。奥にある社殿は総欅造りで、「照星閣」とも呼ばれ、寛政7(1795)年の落雷で拝殿などが焼失したために再建されたものです。明治9(1876)年の明治天皇御巡幸の際には、明治天皇が参拝したお宮だとか。

御朱印は拝殿向かって右手にある社務所でいただきます。見開きの御朱印で、祭神である菅原道真が詠んだ和歌が墨書されています(初穂料500円)。

余談になりますが、源頼朝が奥州藤原氏を滅ぼした文治5(1189)年の奥州合戦の際、藤原泰衡が「国分原鞭館」に陣を敷いたとあり(『吾妻鏡』文治5年8月7日条)、この「国分原鞭館」が榴岡天満宮のある宮城野区榴ヶ岡だと考えられています。

榴岡天満宮のホームページはこちら

【所在地】宮城県仙台市宮城野区榴ヶ岡105-3

【駐車場】あり

【御朱印】あり(初穂料500円)

神社

Posted by きだ