養泉寺(最上三十三観音第25番札所)
山形県尾花沢市にある弘誓山養泉寺は、最上三十三観音第25番札所であり、尾花沢観音と呼ばれています。
ご本尊の聖観世音菩薩は、慈覚大師円仁の作とされ、第23番札所である六沢観音の観世音と同木で刻まれた尊像と伝わります。
寺伝によれば、慈覚大師円仁がこの地方を巡錫したとき、害虫の被害に悩む農民の窮状を知り、その駆除を祈願して観世音を安置したことに始まるといいます。
山門の仁王様はとてもユニークなお顔立ち。最上三十三観音のうち、尾花沢周辺の札所の仁王様は個性的な仁王様が多い印象です。
観音堂は、もとは田んぼのなかにあったものを元和元(1615)年に現在地である養泉寺境内へ移されたそうです。
その後、元禄2(1689)年には、松尾芭蕉が7日間ほど滞在し、「奥の細道」に次の句を残しています。
涼しさを 我宿にして ねまる也
まゆはきを 俤にして 紅粉の花
現在、境内には「涼し塚」という句碑が建てられています。
現在の本堂は明治37年に建立されたものです。
御朱印は観音堂と同一敷地内にある寺務所でいただきます。
他の最上三十三観音札所については、こちら。
【所在地】山形県尾花沢市梺町2丁目4-6
【御詠歌】おばなざは ほとけのみての いとすすき てにとるからに ゆらぐたまのを
【宗派】天台宗
【本尊】聖観世音菩薩
【駐車場】あり