円照寺(最上三十三観音第23番札所)
最上三十三観音第23番札所である光沢山円照寺(六沢観音)は、山形県尾花沢市六沢にある曹洞宗寺院です。
この札所の創建には慈覚大師円仁が関わっており、以下の寺伝が伝わります。
昔、この一帯は湖水で、人々は、舟や筏で往来していたが、六沢の城沢山の境内には、何千年もたった椋(むく)の大樹があり、湖を渡って来た人は、荷物の積みおろしや舟の乗り降りの際、この大木に舟をつなぎとめたので、つなぎ沢と呼ばれていた。
それで昔は、つなぎ沢観音とも言われた。便利な反面、実は大木の枝葉が数町に広がっていたため、農作物に被害を与えていた。しかし、樹の精がいるというので、恐れてただ一人手出しをする者がいなかった。
大同2(807)年、慈覚大師が巡錫したとき、村人の悩みを聞いた大師は、みずから大樹を伐採し、この大樹で聖観音をきざみ、有縁の地へ安置した。その一体の聖観世音が六沢のご本尊である。観音様を刻んだ残りで地蔵様を刻み、村の古い家では木っ葉地蔵と言っている。
最上三十三観音公式ホームページ「第23番 六沢」より
その後、観音像を安置していた観音寺は廃寺となりますが、村の信者達が近くの円照寺に依頼し、当時の住職の努力により観音寺跡地に観音堂が復興されます。しかし、観音堂が倒壊したことにより、円照寺の境内に移転され、現在に至るとのことです。
六沢観音への入口は油断していると見落としてしまいます(私も一度素通りしてしまいました。)。
舗装された参道を進みます。山門に安置される仁王様は衣裳を着せられており、大切にされているのが伝わってきます。
山門をくぐり、左手に石鳥居と観音堂があります。
参拝した際、ちょうど檀家さんが納骨をしているタイミングではありましたが、庫裏で快く御朱印をいただきました。
他の最上三十三観音札所については、こちら。
【所在地】山形県尾花沢市六沢741-3
【御詠歌】いまここに みのりのふねの をりをえて のちのよまでも うかぶなりけり
【宗派】曹洞宗
【本尊】聖観世音菩薩
【駐車場】あり(山門前)