薬師寺(最上三十三観音第24番札所)
尾花沢スイカが有名な山形県尾花沢市に、最上三十三観第24番札所である薬師寺観音堂(上ノ畑観音)があります。また、上ノ畑観音近くには、NHK連続テレビ小説「おしん」の舞台となったことで一躍脚光を浴びた銀山温泉があります。
銀山温泉の始まりは慶長年間(1596~1615年)といわれ、「銀山」の名の由来となったのは、江戸時代の初期に栄え、最盛期には日本三大銀山にも数えられた延沢銀山です。
江戸中期になると産出量が落ち、銀山は事実上閉山となりましたが、その後温泉地として栄えるようになります。
なお、当時の銀坑跡は、「おもかげ園」として市の文化財となっています。
観音堂は、もとは銀山温泉街の手前にあり、その昔は銀坑跡から500mほど登った奥州(現在の宮城県加美町方面)へ抜ける山路の途中にあったといい、山路は奥州街道の軽井沢越と呼ばれ、幕府の関所もあったといいます。
観音堂の始まりも江戸時代初期の頃とされており、高橋信濃という人物が、山の中腹にお堂を建立し、春日作と伝わる聖観世音を安置して旅人の道中安全を祈願したのに始まると伝わります。
もとは東禅寺という寺院が管理していましたが、安政年間に荒廃し、現在は薬師寺が管理しています。
立派な山門をくぐり、正面に本堂、左手に観音堂があります。
御朱印は駐車場側にあるプレハブの授与所でいただきます。
他の最上三十三観音札所については、こちら。
【所在地】山形県尾花沢市上柳渡戸207
【御詠歌】たなはしの かみのはたより ながむれば あきのたおもて ぼさつなりけり
【宗派】曹洞宗
【本尊】聖観世音菩薩
【駐車場】あり