長登寺(最上三十三観音第17番札所)
最上三十三観音第17番札所である寒江山長登寺(長登観音)は、山形県西村山郡西川町にある真言宗寺院です。
長登観音は、羽黒派修験道の霊場として隆盛を極めた出羽三山(月山・湯殿山・羽黒山)への参詣道であった六十里越街道沿いにあります。六十里越街道は難所の数から六十里越という名が生まれたと言われています。
寺伝によると、天平3(731)年に聖武天皇の勅命により、行基作の観音菩薩像が安置されたことに始まるといいます。
観音堂参道の登り口に、参道の案内板があります。
坂道を進んでいくと、鳥居と石段が見えてきます。急な石段のため、しっかり杖も置かれています。参拝者への心遣いが嬉しいです。
石段を途中まで登ると「少し楽な山道」の看板が現れました。先ほどの案内板にあったいろは坂への入口のようです。
傾斜が緩やかで登りやすそうでしたが、今回はそのまま石段を登りました。
登り終えて振り返るとなかなか壮観です。六十里越街道に沿うように流れる寒河江川も見えます。
余談ですが、長登観音の手前には寒河江川に架けられた臥龍橋という橋があり、かつては出羽三山の神域として、参拝者はここで身を浄めてわらじを履き替えて参拝したといいます。
石段を登りきるとすぐに観音堂があります。もとの観音堂は現在地よりも2キロ程山奥に入った山頂にあったそうで、火災のため焼失し、昭和2年に現在地に観音堂が再建されました。
スカーフを巻いたおしゃれな小僧看板がお出迎えしてくれます。
御朱印はふもとの長登寺さんでいただきます。
他の最上三十三観音札所については、こちら。
【所在地】山形県西村山郡西川町睦合乙142
【御詠歌】やまをわけ きしをつたひて ながのぼり はなのうてなに いたるなるらん
【宗派】真言宗
【本尊】十一面観音菩薩
【駐車場】あり