慈眼院(最上三十三観音第18番札所)

江戸時代に最上川もがみがわ舟運の紅花の集積地として栄えた山形県河北町かほくちょうに、最上三十三観音第18番札所である恵日山慈眼院えにちさんじげんいん(岩木観音)があります。

寺伝によると、観音堂の創建は嘉慶元(1387)年に土地の木こりが仏門に入り、教円坊と名を改め慈眼院を開き、岩木山腹にお堂をつくり、観音像を安置したことに始まるといいます。

この観音像は、諸国を行脚していた老僧がもっていたものでしたが、老僧は岩木山腹に仏像を残し姿を消します。ある日、後に教円坊を名乗る木こりが、薪を背負って山を下る途中、藪の中で光る観音像を見つけ、こうして仏像を手にすることができたのは仏の導きに違いないと感じ、仏門に入ることになります。

享保元年には山火事があり、建物はすべて灰になってしまうものの、観音像は火災の後に観音堂前の田んぼの中から何の損傷もなく発見され、村人の信仰は一層深くなったと伝えられています。

現在は参道がしっかり整備され、足の悪い方でも参拝できるよう配慮されています。

観音堂の前には真新しい回向柱がたてられ、巡礼者を迎えてくれます。

こちらの小僧看板は渋めのスカーフをしています。この小僧看板の商品名が気になるところ。

御朱印は麓にある慈眼院さんでいただきます。

御朱印(左)とお姿(右)

他の最上三十三観音札所については、こちら

【所在地】山形県西村山郡河北町岩木570

【御詠歌】よきみちに すすめばすすむ よのならひ ひとのこころは いはきならねば

【宗派】天台宗

【本尊】聖観世音菩薩

【駐車場】あり