日高見神社~北上川の水神を祀る古社~
『日本三代実録』貞観元年5月18日条に、「授陸奥國正五位上勲五等日高見水神従四位下」(陸奥国の正五位上勲五等である日高見水神に従四位下を授けた)という記事があります。
この記事の「日高見水神」が日高見神社です。
日高見神社は宮城県石巻市桃生町にある延喜式内社で、天日別尊、天照大神、日本武尊、武内宿禰尊を祭神としています。
創建は景行天皇(第12代天皇)の時代に遡るとされ、武内宿禰(たけしうちのすくね)の「東夷に日高見の国あり、人勇敢にして土地沃穣なり撃って取る可し」という奏上により、景行天皇40年に日本武尊が日高見の国に入り賊を平定した際、天照大神を祀って創建されたと伝わります。
武内宿禰の奏上にある「日高見の国」が具体的にどのあたりを指すのかは定かではありませんが、日高見神社の付近を流れる北上川は、かつて「日高見川」と呼ばれており、発音が転嫁して「北上川」になったとされます。また、冒頭の叙階記事などから、もともとは北上川の水神を祀っていたともいわれています。
神社は石巻市桃生町太田という地区にあります。神社付近に「延喜式内日高見神社」と書かれた看板があり、老人憩いの家「日高見荘」という建物があります。
日高見荘前に車を停めるスペースがありますが、社殿の直下まで車で行くこともできます。
日高見荘前に車を停め、参道を進みます。
参道はゆるやかな坂道になっています。
道中には御神木の欅がありました。この欅は樹齢900~1000年程度とされ、源義家が安倍貞任討伐の際、この木に身を隠し、敵の追撃を逃れたと伝わっています。
御神木からさらに進むと駐車場にでます。駐車場のすぐ上に社務所と社殿があります。
拝殿の左側には、「八幡神社」と刻まれた石碑があります。
他にも境内の左右には向かい合う形で境内社がありました。
余談ですが、石巻市には日高見神社と同じ「日高見」という名前の日本酒があります。平孝酒造さんという酒蔵で作っており、魚料理との相性が抜群です。
【住所】宮城県石巻市桃生町太田字拾貫1-73
【御朱印】不明
【駐車場】あり