津島神社~佐沼総鎮守「ごてんのうさん」~
今回は、宮城県登米市佐沼にある津島神社と津島本宮社です。
津島神社
由緒と祭神
天正19(1591)年、豊臣秀吉の小田原征伐に参陣しなかったとして改易された葛西・大崎両氏の旧臣たちが蜂起(葛西・大崎一揆)した際、一揆勢は佐沼城に籠城し、豊臣秀吉の命により伊達政宗が討伐に向かいました。
政宗は佐沼城を包囲したものの、沼川深田の難攻不落の水城であった佐沼城を容易に攻め落とすことができず、津島神社(現在の津島神社の北方に鎮座し、現在は津島本宮社と改称)に祈願しました。すると、忽然と白鷺の群れが飛来し、沼の浅瀬に降り立ち、深沼でないことを知った政宗は、その場所を足掛かりに一揆勢を攻め立て、落城させることができました。
後、慶長19(1614)年、政宗は領主津田民部景康に城の鎮護を命じ、津島神社を城下である現在地に遷座し、佐沼城において今後謀反が起こらないよう佐沼城に向かって北向きに建立の上、佐沼郷の総鎮守祇園牛頭天王と称し祀りました。以来、人々から「ごてんのうさん」と崇め祀られているそうです。
祭神は素戔嗚尊(スサノオノミコト)で、厄除け、縁結び、疫病除け、海上安全の御神徳があります。
境内散策と御朱印
津島神社は、佐沼の市街地にあります。
市街地のため交通量は多めですが、そこそこの広さの駐車場が整備されています。
コロナ対策のため、手水舎にハンドソープが設置されています。手洗いをして、茅の輪をくぐり参拝します。
境内は掃き清められ、手入れが行き届いています。
本殿と拝殿は流造です。拝殿の脇には、道祖神が祀られています。
御朱印は授与所でいただきます。通常御朱印(初穂料300円)と期間限定の特別御朱印(初穂料1000円)があるようです。
せっかくなので、今回は特別御朱印をいただきました。
御朱印は見開きで金色の鳳凰印が押され、金粉が散らされています。
さて、参拝を終えた後、もとの津島神社である津島本宮社へ向かいました。
【所在地】宮城県登米市迫町佐沼西佐沼147
津島本宮社
津島神社から車で10分ほどいくと、長沼フートピア公園に着きます。
遊具やオランダ風車があり、家族連れで賑わっていました。
津島本宮社は上の写真でみると、風車の横にある森の中に鎮座しています。
公園駐車場に車を停め、神社に向かいます。神社は道路沿いに参道があります。
風車側からも行けるようですが、道路側が正式な参道です。
津島本宮社は天平2(730)年の創建。文治5(1189)年に源頼朝が藤原泰衡追討の折、戦勝を祈願し無事泰衡を討つことができたことから、葛西壹岐守の家臣佐久間定義に本宮社の奉仕守護を命じたと伝えられています。
拝殿は入母屋造です。拝殿横には石碑が林立しています。
今回は時間の都合でいけませんでしたが、佐沼には佐沼城の他、葛西・大崎一揆関係者の首塚など、葛西・大崎一揆にまつわる史跡が残されています。
今後、折を見て訪問し、追記していきたいと思います。
【所在地】宮城県登米市迫町北方天形160