御崎神社~岬に鎮座する漁業・航海の守護神~

今回は、宮城県気仙沼市唐桑町にある御崎神社(おさきじんじゃ)です。「御崎」と書いて「みさき」ではなく「おさき」と読みます。カーナビで検索する際はご注意ください。

御崎神社は、宮城県の最東北部、唐桑半島の先端部に位置する神社で、素戔嗚尊・大海津見神・日本武尊を祭神としています。

御崎神社の創建は、縁起、社伝、古記録等によると、日向国外浦(宮崎県南那珂郡南郷町)鎮座の御崎神社を、飫肥城主伊東祐時の後裔が、戦火を避け神慮によりはるばる当地に赴き、小社を建てたことに始まるとのことです。延慶2(1309)年、阿部休信(唐桑城主久信か)により現在地に社殿が造営されたと伝わります。

享保8(1723)年には仙台藩第5代藩主伊達吉村が参拝し、『海浜歴覽記』という文献に、「聞きしにまさりたる宮居のさま、まことに有難くおぼえぬ」と記されています。

神社の祭礼日は、毎年1月14・15日で、このときの祭礼は「御崎さん」と呼ばれ、14日宵宮から翌朝にかけて多くの参拝者でにぎわうそうです。また、このときには、難除けの「はじき猿」、大漁・航海安全の「さっぱ舟」という素朴な郷土玩具が売られます。

朱色の大鳥居をくぐり、樹々が生い茂る参道を車で進むと、石鳥居の前に出ます。

参道入口

駐車場には唐桑半島御崎の案内板が設置されています。

自販機には気仙沼市のゆるキャラ「ほやぼーや」が描かれています。

御崎岬をぐるりと散策できるようですが、まずは御崎神社に参拝します。

拝殿は堂々とした造りをしています。海に近いため、波の音が聞こえました。

拝殿

境内には金毘羅さんが祀られています。

拝殿近くに授与所がありますが、基本的に無人なので、自分で授与所の扉を開けて初穂料を納め、お守り等をいただけます。

御朱印は参道入口の鳥居をくぐってすぐのところにある社務所でいただきます。

御朱印(初穂料300円)

御朱印に「鯨塚」という印が押されていますが、これについては御崎岬にあります。

神社を参拝後、岬へ向かいます。散策用の杖も置かれていました。

遊歩道を進みます。舗装はされていませんが、歩きやすいです。樹々の合間から太平洋が望めます。

遊歩道を5分ほど歩くと、ひらけた場所に出ます。ここに先述の鯨塚があります。

碑には、文化7(1810)年と天保7(1836)年の銘があります。昔、鯨が嵐にあった漁船を御崎神社沖まで誘導し、無事救ったという伝説があり、その鯨の霊を祀ったとものだそうです。

御崎神社では、毎年1月7日の朝、この塚に御神酒、イワシ、塩を供えて鯨供養を行っています。鯨は御崎神社の使いとされており、氏子は鯨を食べないそうです。

鯨塚①
鯨塚②

鯨塚からさらに徒歩数分で、御崎灯台へ。灯台付近からは、太平洋が一望できます。

この日は天気が良くなかったのが残念です。天気が良い日は絶景だと思います。

【所在地】宮城県気仙沼市唐桑町崎浜7

【御朱印】あり(初穂料300円)

【駐車場】あり

神社

Posted by きだ